私は大学時代から、子どもが世の中に出ていくまでの過程における教育に強い関心がありました。
これまでにも色々な角度から考えている内容をこのブログにも綴ってきましたが、伝えたい内容をギュギュっと凝縮している1冊が発売されていたので、紹介します。
中学生・高校生はぜひ読んでみてください!
大学生(特に就活に悩む人たち)が読んでも価値のある本です。
↓ 私の考えている内容は以下のエントリを見ていただければおおよそ分かります。
私が今回読んだ本は「なぜ僕らは働くのか」と言う本です。
この本はマンガと説明が交互に続いていく流れで描かれており、絵・図も多用されているため、普段本を読んでいない人にとっても読みやすい工夫がなされています。
内容としては、中学生の主人公が将来について悩むところからストーリーが始まり、年の近い親戚の叔母さんが手掛けている本の内容を少しずつ読ませてもらいながら、将来についてのヒントをもらうことで成長していく、といったものです。
個人的にはストーリー展開自体はあまり大切ではないと思いますが、読みやすさを上げるうえでの工夫としては良いと思います。
なによりも私がこの本を通して良いな、と感じたのは
「良い生き方を押し付けていない点」です。
例えば、ライフワークバランスについて言及している箇所があるのですが、仕事とプライベートはこのくらいの割合にすべきだ!とも、ライフワークバランスを取らなければならない!とも、この本には書かれていません。
また、所得が多ければ多いほど幸せなのか?という問いに対して、このくらいの年収だとこのくらいの幸福度がある、といった客観的数値を提示することまでに留めています。
あくまでも世の中には、こういった生き方の人・考え方の人たちがいて、その人たちはこう感じている、ということは伝えていますが、それを読者に押し付けていないという点がとても共感できるポイントでした。
その根底には、中学生だろうが高校生だろうが、この本を手に取る人たちを一人の自立した人間として向き合っているという考え方が貫かれているのだと思います。
子どもではなく自立した人間として扱うからこそ、情報は提供するけれど、どの道を選択するのかは読者次第、というある種ドライな割り切り方で書いているのだと思います。
読者に頭を使って考えさせたい!という思いが無ければ、「こうしたら良いよ!」と一言書いてしまっても良いわけです。(どうせ作者に責任が及ぶことは無いのだし。)
それでもその技を使わずに、読者に思考の余地を与えた状態で突き放すのは「自立した人間」として扱っている証拠になると思います。
私も強くその考えには共感します。
私自身にこれまでの人生を後悔するような大きな出来事があったわけではないのですが、学校の先生たちと話すままテストの結果だけで進学先を選んでしまったのは「どうかと」思っています。
これは上の考え方とは少し違っており、世の中にある多数の選択肢を見ることなく、先生の言われた通りに大学進学を選んでしまった私のような選択の仕方は、これからの世の中を作り上げる学生たちにはしてほしくない、と思っています。
決して進学先が悪かったわけではないのですが、大学時代に自分の選ばなかった道を歩いている高卒や中卒の仲間を見たときに「なんで自分は大学にいるんだろう」と感じてしまったこともあります。(高卒や中卒の仲間が輝いていたのも、そう感じた一因です。)
そのあたりの私が感じた挫折感の詳細は以下のエントリにあります。
私は、学校の先生が悪いとか、進学することが悪い、ということが言いたいのではなく、世の中には様々な選択肢があり、それを自らが選択する(意思決定する)ことが大切だと思っています。(自分の場合では「意思決定した」という意識が低かったことが問題です。)
実は2013年頃にそのようなイベントを企画しようとしたことがあり(頓挫してしまいましたが)、そこでも同じようなことを掲げていました。(画面キャプチャのため粗いですが、一部資料を掲載します。)
ここで書いている下段・中段のあたりの内容が、この本での内容にがちっと当たります。
こういった共感ポイントがあるため、中学生・高校生はぜひともこの本を手に取ってほしいなと思っています。また、就職活動に悩んでいる大学生だって、この本を読む価値はあると思います。自分たちが働く目的・働くとは何か、そんなことは社会人の私も考え続けているテーマです。
また、こういった本が出たことで、世の中にこういったテーマが求められているのだ、ということも改めて実感することができました。
自分のやりたい・実現したい世の中に向かって後押しをしてくれるようなテーマの本でした。
なお、この本の巻末には、こういった話に興味を持った人やより詳しく知りたくなった人向けに、おすすめ本の紹介もなされています。餅は餅屋的な精神も、私のやりたいことに近しいです。
こういった話に興味がある方は、ぜひ以下のエントリも読んでいただければと!
dewahisashi.hatenablog.comdewahisashi.hatenablog.com
では。