でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

目に見える職業しか選択肢には入らない。

社会人になってからは、なかなか海外旅行に行く機会が少なくなってしまったのですが、学生のころには頻繁に海外旅行に行っていました。

当時から学校教育に対して考えていたこともあり、旅行中にも海外の教育事情を把握したいと考え、様々な情報に触れるようにしていました。

大学4年生の就職間近なタイミングで、インドに行った時にも教育事情を見てきました。

 

その前に、少しインド旅行の話を。

デリー⇒アーグラー⇒バラナシ⇒コルカタと移動しながら、約1か月ほど回りました。

デリーでは、インドのごみごみとした雰囲気と乾燥した空気を強烈に感じながら、ちょっと怖い目に会うかも、というドキドキ感を抱きながら、わずかな期間だけ過ごし、タージマハルのあるアーグラーへと移動しました。

アーグラーでは、朝焼けのタージマハルを鑑賞しましたが、あれほど凄いと思った建造物は初めてでした。規模で言えば、アンコールワットやその周辺遺跡もすごかったですが、タージマハルの美しさと偉大さには圧倒されました。

あれが廟であるというのが信じられないほどで、数時間はその場にいたと思います。

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タージマハル(2011年)

 

その後、バラナシへと移動し、この旅行最長の2週間程度を過ごしました。

 

ガンジス川のほとりにいながら過ごす予定だったのですが、たまたま高橋歩さんがインドに来ているという情報を仕入れました。

高橋歩さんってどんな人?という方は以下のサイトをどうぞ。

www.ayumu.ch

 

「情報を仕入れたにもかかわらず、動かないなんてもったいない。

高橋歩さんに会えるチャンスなんてそうそう無いし、それがインドってさらにすごいじゃん!」

と思い、ノリと勢いだけで高橋歩さんが滞在していると噂のゲストハウスに乗り込みました。

 

するとさらに偶然が続き、ゲストハウスの屋上で飲み会やってるから、参加したら―?とお誘いを受けた結果、なんと高橋歩さんと一緒に飲むことになりました。

 

その飲み会で、バラナシには「マザーベイビースクール」という、学校に通えない子どもたちが参加できる学校があり、そこでボランティアとして参加することが可能だということを知りました。

(現在は分かりませんが当時は)インドに常駐されているNPOの方+旅人を中心としたボランティアが英語・数学を子どもたちに昼前~夕方手前くらいに教える、という感じです。

日本の子どもへの教育機会も持っていなかったのに、インドの子どもへ教育できるなんて超ラッキー、と即参加を決めました。

 

翌日からマザーベイビースクールに通うこととなり、そこでインドの子どもたちと接する日々が始まりました。

学校の黒板しか手元に写真がなかったのですが、こんな感じで全体では話をします。

しかし、各生徒のレベルに合わせて一人一人学習内容は変えるので、集団学習のようなことはしないです。(NPOでは、ここの生徒が作った”しおり”を販売していたので、しおり作成の時には、黒板を使って説明をしたりします。)

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マザーベイビースクールの黒板

ここで体感した・伝えたいことはいろいろありますが、今回の記事の中で伝えきるのは困難なので、タイトルの内容に絞ってお伝えします。

 

当時からこれに近いことを考えていました。 

dewahisashi.hatenablog.com

(どこかでちゃんと書きたいと思っているのですが)端的に言えば、

「自分自身が意思決定しながら進む人生」を歩めるための教育が必要だと思っています。 

 

そのためには、世の中を知り、複数の選択肢の中から自分の道を決めることが最低限必要です。

そこで、今インドの子どもたちは何を考え、どんな夢を抱いているのか聞いてみたかったので、学校に通う子どもたちに将来の夢を聞いてみました。

すると以下のような回答がありました。

  • 学校の先生
  • 警察官
  • リキシャ―運転手(人力車の運転手)
  • お店の店員さん

一見バラバラな職業に見えますが、共通しているのは「子どもの目に見える職業しか選択肢には入らない」という単純な事実です。

 

当たり前と言えば当たり前なのですが、そんなことにインドで気づかされました。

私の目指している「意思決定のできる人生」を歩むためには、「知る」という工程が決定的に重要ということです。

 

 

世の中のことを知らないから職業が選べないという事態は、インドだけでなく日本でも同様に起きています。

インドで接した子どもたちは小学生くらいでしたが、日本の小学生に聞いても出てくる夢は目に見えるところでしょうし、大学生に聞いたとしても結論は同じだと思います。

その結果、就活では自分自身に軸を置かず「企業名」を見て、知ってるから選考を受けるという事態を引き起こしていると考えます。

 

この経験から意思決定をするためには、以下のプロセスが必要だと学びました。

知る⇒選択肢を並べる⇒選ぶ基準を作る⇒決定する

私が目指す教育を実現するためには子どもたちに知るきっかけを提供することが必要です。(その観点において、キッザニアや13歳からのハローワークは非常に素晴らしいと考えています。)

 

この文章を今学生の方が読んでいて、自分の力で意思決定をしたいのであれば、まず圧倒的な行動をもとに知る努力をしてみてください。

頭の中にある情報やネット上にある情報を自分基準で選んでいても情報量は圧倒的に不足します。(これは経験則なので、もしかしたら私が古い人間なのかもしれません。)

 

インドの旅行の話から急転直下で教育の話に遷移しましたが、私の目指す教育像に近づくための1歩目を痛感した経験だったので、今回記事にさせてもらいました。

 

他にも旅行での強烈な体験はあるので、いずれブログにしていこうと思います。

 

では。