でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

【就活生向け】営業コンサルなんてコンサルとは呼べないよ。「コンサルとは何か」について考える。

みなさん、コンサルタントってどんなイメージですか?

 

私は会社において採用担当ではないのですが、プライベートな活動の一環も含めると年間10名前後の学生と面談をしています。

その中で「○○コンサルタントという人の話を聞いたけど、思っていたのとは違った」という話をよく耳にします。

たしかに私が学生のころから○○コンサルタントと名の付く職種は多くあり、私自身もよく違いが分からないなぁと思いながら話を聞いていました。

そこで、今回は「コンサルタント」ってなんだ?という疑問を、一緒に考えていきたいと思います。

 

 

コンサルタントってナンだ?

さて、「コンサルタント」と聞くと、きらびやかなイメージがある方もいると思います。

おそらく、そのイメージは「経営に近い立場でカッコイイことをやる頭の良い人たち」というイメージが強いものだと思われます。

例えば、「マーケティング戦略を策定する」とか「3か年計画を作成する」といったものです。

確かに、普通に会社へ就職をすると、そういった取組に参画する機会はほとんどないでしょうし、あったとしても入社後何年か経たあとでないとチャンスがない、というのが実態です。

そんな特殊な取り組みを仕事としているコンサルタントはなんかすごそう!みたいなのが世の中にあるコンサルタントのイメージだと思います。

 

だけど、コンサルタントは「ゴールを作ること」を目的としてお客さんから依頼を受けているわけではなく、お客さんにとっての何らかの「成長・改善」を目的として依頼を受けています。

ゴールを作ることとお客さんの会社を成長・改善させることは大きく異なります。

お客さんの目的は「会社を成長させること」にあります。極端な話をすれば、ゴールなんて作らなくても会社を成長させることさえできていれば、お客さんにとってはOKと言えます。

あくまでも主の目的は「会社を成長させること」にあり、ゴールを作るのは1つの手段に過ぎないのです。

 

つまり、お客さんにとっての成長・改善の方向性を定めるためにゴールを定義するわけです。

また、重要な観点としてあるのは、ゴールを定義したらお客さんは成長・改善できるのか?と言えば、そんなわけはない、ということです。

一緒に登る山を定めたらお客さん(=登山初心者)は登頂成功するでしょうか?そんなわけないですよね?

お客さんの求めるゴールを達成するためには、経路を決め、一緒に山頂を目指して歩き、山頂に到着することまでを期待されます。

 

きらびやかなコンサルタントのイメージは、登る山を決めたり経路を決めたりするところまでなのですが、実際にはお客さんと一緒に汗を流しながら泥にまみれながらも山を登っているのです。

 

 もちろん世の中には数多くのコンサル会社が存在しており、

  • ゴールを定めるところまでを対象としている
  • 一緒に山を登るところを対象としている

といった違いがあるので、コンサル会社をよく見る必要はあります。

 

ただ、共通しているのはお客さんだけでは解決できない問題を、専門的な知識・経験・スキルによって解決するのがコンサルタントだと思います。

しかし、こう表現してしまうと「いや、どの会社でもそれやってるじゃん。」と思われたかと思います。

実際そうだと思います。広義にコンサルタントの役割を捉えれば上記のように、お客さんの抱える問題をお客さんの力以外で解決すれば、コンサルと言えると思うので、どの会社もコンサルだ!と言っても間違いではないと思います。

就活市場を覗いてみると、私の目から見れば「いや、それコンサルじゃないでしょ。。。」と思う会社も(コンサルブームが起きているのか)「我々は〇〇コンサルを募集しています」と書いていたりします。

 

じゃあ世の中で言われるコンサル会社とそうじゃない会社の違いは何なのか。

 

 

少しずつ考えていきたいと思います。

 

コンサル会社か否かの分かれ目

モノ売りの会社はコンサル会社か?

まず「モノ売り」か否かで大きく分かれます。

分かりやすいのは何らかの製品を売っているか否かです。

スマホにせよシステムにせよ、何らか提供するモノ(製品)が存在し、その選択肢の中から選択したものをお客さんに提供する形態は、コンサルとは言えないと考えています。

(選択肢があるとはいえ)提供するモノが決まっている場合、お客さんの問題を解決する方法は限られてしまいます。

コンサル会社の優位な点は、提供するモノに縛られることなく、お客さんの問題を解決できる点にあると思います。

 

 例えば自動車販売を例にとります。あるお客さんが移動手段を求めていました。

このときに、自分が外国車メーカーの販売員であれば、外国車を販売しなければならないですよね?また、複数社の車を扱っているディーラーであったとしても、お客さんには自動車の販売によって問題を解決しようとしますよね?

しかし、コンサルタントであれば

  • 「そんなに求めてる機能は多くないから、軽自動車にしましょう!」とか
  • 「そんなに利用頻度が高くないから、レンタカーにしましょう!」とか
  • 「そもそも、その移動って必要でしたか?Web会議で十分では?」とか

そんなところから議論を始めることが可能です。

フラットにお客さんの会社を見たときに、本当に必要なものを一緒に考えることができる、というのがコンサル会社の強みです。

その際に、何らかのモノを持っている会社というのは、フラットな提案を阻害する要因となるので、私の中のコンサルの定義では「Notコンサル会社」です。

  • 世の中には「コンサル営業」と呼ぶ会社もいますが、お客さんの抱える問題から自社の持つ(問題を解決するだろう)適切な製品を提案するのは、いわゆる「営業」です。
    ⇒ 学生との知識ギャップを利用しているので注意が必要です。
  • また「人材系コンサル」と呼ぶ人たちにも注意が必要です。
    話をよく聞けば、自社と付き合いのある取引先に対して、学生を紹介しているだけ、というケースも多々あります。
    ⇒ この会社は、学生にフィットする会社を紹介するマッチングサービスを提供しているのであって、コンサルティングはしてないです。
    ⇒ 学生が就職するか否かで悩んでいるときに、就職しないことも親身になって考えてくれて背中を押してくれていれば、その人はコンサルです。

 

 

サービス売りの会社はコンサル会社か?

では、サービス売りをしている会社はどうでしょうか?

これは線引きがグレーになります。

 

例えば「マッサージ店」

これはコンサル会社と言えるでしょうか?

 

 

 

一般的には当然コンサル会社とは言わないと思います。

しかし、見方によってはコンサル会社と言えると考えています。

体の不調があってマッサージ店を訪れたところ、店員さんが専門的な知識をもとにして、(マッサージだけにとらわれず)体の不調を解消してくれた場合、これはもうコンサルです。

 

つまり二つの要因が、コンサル会社か否かを分けると言えるでしょう。

  1. 専門的知識/経験に基づくサービスか否か
  2. 提供するサービスが定型化されているか

 

専門的知識/経験に基づくサービスか否か

コンサル会社は専門的な知識/経験に基づくサービスを提供することが多いです。

そもそも「お客さんが自分自身の力では解決できない」ときに依頼を受けるのがコンサル会社です。それは、お客さん内の知識や経験でカバーできないからこそ依頼がある、とも言えます。

従って、お客さんの保有していない専門的知識や経験を持ってサービス提供しているのはコンサル会社の1つの要素だと考えられます。

 

例えば、弁護士なんかはイメージしやすいかと思います。

何らかのトラブルが生じた際に、自分一人では解決できないから法律の専門的知識や経験を持った弁護士に相談するといったものです。

 

提供するサービスが定型化されているか

コンサル会社はおおよそ定型化されていないことが多いです。

もちろん生産性を上げるためにいろいろな工夫はしておりますが、すべてのお客さんに万能に使える処方箋は存在しません。

お客さんごとに悩んでいる内容や会社の文化等は異なるため、画一的なサービスを提供して問題解決を図ることは現実的ではありません。

そのため、結果としてお客さんに合わせたサービスを提供することとなります。

 

例えば、「どうやったら幸せになれますか?」と聞かれたときに、「それは人によって違うよね。。。」と思いますよね?

ある程度世の中一般で言われている定型的なものはありますが、結局のところその人自身の過去経験や現在の状況に合わせて一緒に考えていくしかないのと同じです。

 

 

まとめ

ここまでの内容をまとめると、コンサル会社は以下の要件を満たした会社と言えます。

  1. お客さんの成長・改善に貢献することを目指している。
  2. モノ売りの会社ではない。
  3. 専門的な知識や経験を持ってサービスを提供する。
  4. 提供するサービスが画一化されていない

世の中で言われているコンサル会社は、おおよそこの要素を満たしています。
いわゆる〇ッキンゼーとか〇ストンコンサルティングとか。

ただし、いわゆるコンサル会社以外にも、(少し話に挙げたように)弁護士も該当すると思います。また、サービス提供の方法によっては、普通コンサル会社と言われていない会社も、実はコンサルティングしていることもあると思います。

反対のことも最近では起きているとも聞いています。(コンサル会社だと思っていたら、実はモノ売りの会社だった、とか。)

 

 

いろいろ書いてきましたが、最後に1点補足しておきます。

当然のことですが、コンサル会社か否かで会社としての上下があるわけではありません。

私が一番伝えたかったポイントは、コンサル会社に入るということは

  • お客さんの成長・改善に貢献することを目指している。
  • モノ売りの会社ではない。
  • 専門的な知識や経験を持ってサービスを提供する。
  • 提供するサービスが画一化されていない

この要素を満たしている会社に入社することであり、そういった要素を持った会社で働きたいか?と考えてもらうことです。

 

この記事を読んでいる人はおそらく「コンサル」「商社」「ベンチャー」といったワードに魅力を感じている人だと思います。ただ、ワードや雰囲気で会社を見ると誤った選択をすることとなります。

 

コンサルを例にとれば、上記要件を満たしている会社ということは、その会社にいる人には

  • たとえ専門的な知識/経験がなかったとしても、お客さんの前に立つときには専門家として振舞うことができる。(すさまじいスピードで知識をつける等)
  • どんな困難な場面であったとしても、お客さんの成長に向けて柔軟に物事を考えられ、かつ実現までコミットできる。(何かを言い訳して「できません」なんて絶対言わない等)

といったことが求められます。(もちろん他にもいろいろと。)

その環境は、若いうちから成長するには適した環境だと思いますし、一番上に書いたような華やかなイメージの瞬間もありますが、そんな状況ばかりではありません。

自分が入社する会社であれば、このくらいのイメージを持ってから入社した方がミスマッチが減る=入った後の後悔が減る、と思っています。

 

  • どんな業界・職種でも共通するのですが、表面的な情報だけでなく、こんな感じで少し掘り下げて業界や業種を見るようにしてほしい。
  • そのためには、どんなポイントを見ると業界や会社の違いが理解できるのか。

そんなことを考える・知るきっかけになって、後悔の少ない人生を歩んでもらえれば、嬉しい限りです。

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では。