でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

4Kテレビとか誰得?3Dテレビでの失敗を反省しないのか?

ジャパネットたかたの新春初売り企画の目玉として4Kテレビを売っています。

それを見ていて+家電量販店での4Kテレビ推しを見ていて、家電メーカーが何を考えているのか、さっぱり分からないと改めて感じました。

1.4Kテレビとは 

4Kテレビとは、ものすごく解像度の高いテレビのことです。

詳しくは以下のURLに書いてありました。

「4K解像度」ってどれだけスゴい画質なの? - ライブドアニュース

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ハイビジョンテレビと4Kテレビの違い

上記のサイトから画像を拝借しましたが、上記のような感じで、フルハイビジョンテレビよりも4倍解像度の高いテレビのことを言うそうです。

今持っているテレビよりもものすごく良い映像を見ることができますよ!ということ。

2.そこまで綺麗な映像を見たい?

今のテレビでさえ十分にきれいな映像だと思っています。昔のアナログテレビでさえ特に困ることはなかったのですが、電波の混雑がどうたらこうたら、という理由の元、デジタルテレビに代わって、それ以降特に困ることはありませんでした。

たしかに家電量販店で4Kテレビで流れる映像を見ると、素人でも分かるレベルで映像は綺麗です。ただ、そんなに綺麗な映像を見たいか?と問われると、不要です。

今行われている4Kテレビ推しを見ていると、数年前に起きていた3Dテレビ推しを思い出します。

3.3Dテレビでの失敗を忘れたのか?

数年前家電量販店では3Dテレビをガンガン売り込んでいました。

テレビを3Dで見るために、テレビ酔いするリスクをわざわざ抱えて、眼鏡までわざわざかけて、高いテレビを購入することをメーカー+小売りで促進していました。

数年経ちましたが、3Dテレビってもはやどこにも見ないですね。

メーカーは3Dテレビを購入した人たちに対してどう思ってるんでしょうね。

3Dテレビが流行らなかった理由は、大きく理由が2つあると考えています。

  1. 消費者側にニーズがなかった。
  2. テレビ放映業者側を巻き込みきれなかった。

この2つの理由は、相互に作用しあっているので、どちらにも対処する必要がありましたが、メーカー+小売り業者はどちらも喚起できなかったと考えています。

1.消費者側にニーズがなかった。

まー、そのままですね。3Dテレビって家で見たいですか?眼鏡までかけて。

この記事冒頭で私のテレビに感じていることを書きましたが、おおよそ多くの消費者も同じだったのだと思います。つまり、テレビは元々の性能で満足している。

テレビの歴史を考えると大きな変化点はいくつかありました。こんな感じですかね。

A)白黒テレビの販売開始
B)カラーテレビの販売開始
C)テレビの大型ディスプレイ化
D)テレビの薄型化
E)3Dテレビの販売開始
F)4Kテレビの販売開始。

A・Bの進化は、消費者にとって非常に大きかったと思います。0点⇒80点くらいの進化。テレビが無かったところから作り出した、また白黒ではないカラーが見れるようになったのは、その時代に生きていなくとも大きな成果だったと考えます。

C・Dの進化も、それなりのインパクトがあったと思います。やっぱり大きい画面で見れると迫力もある。その分全体が大きくなってしまったので、部屋に占める面積を減らすための薄型化。とはいえ、A・Bに比較すると小さな変化なので、80点⇒95点くらいか。

E・Fの進化は、もはややることのなくなったメーカーのやってる感醸成のためのものだと思います。消費者のニーズに95点で応えているのに、残りの5点を埋めるために右往左往している状況です。メーカー側も分かっているとは思いますが、5点を埋める努力は些末なところしか手当ができません。

消費者側の真のニーズは、100点のテレビを欲しているのではなく、95点のテレビを以前よりも安く購入するところにあるのだから。

2.テレビ放映業者側を巻き込みきれなかった。

3Dテレビの失敗にはもう一つの要素がありました。テレビ放映業者側の巻き込み不足です。

テレビの難しいところは、放映業者とテレビメーカーが分かれている点です。

どんなにいいテレビを作って売ったところで、放映業者がそれに合わせたコンテンツを配信してくれない限りは、テレビが活かしきれないです。

3Dテレビでもいくつかの番組は3D放送をしたり、DVD等では3D視聴が可能でしたが、最低でも5割程度の番組で3D視聴ができないと3Dテレビを購入する動機付けにはならないでしょう。(そもそも3Dで放映する付加価値のあるコンテンツが無かったというのもあるでしょう。)

1.の理由から消費者に3Dテレビは普及しづらかったし、その状況を見た放映業者は3D用のカメラ等の設備投資に控えめになったのは想像に難くないです。また、そんな状況だから、消費者には3Dがさらに魅力がなくなっていく、という負のスパイラルです。

4.まとめ

4Kテレビも同じ構図でしょ?私にはどうやっても4Kテレビが今後流行っていくとは思えません。テレビメーカーが消費者の気持ちを無視して、全機種4Kにしたら売れるかもしれないですが。まぁ、そんなことをしたら海外メーカーが間違いなく日本を狙ってくるでしょうね。

3Dテレビも(たぶん)メーカーだけでなく政治家たちと一緒になって販売促進をかけたのだと思いますが、その中心人物たちは3Dテレビを購入したのに、使う機会がない人たちに対して、どう思っているのでしょうね。(腹立つことに、何にも感じていない人も多いでしょうが。)

テレビだけではないですが、すでに消費者のニーズをあらかた満たした製品を作る会社は、100点を目指すのではなく別のニーズを掘り起こすことが必要です。既存のサービスが消費者のどんなニーズにこたえていて、そもそもそのモデルでは応えられないニーズにどう応えるのかを考え抜くことが、今後の成長には不可欠です。

消費者のニーズが個別化している世の中での生き残りは、今までのモデルでは無理なんです。

では!