でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

分かりやすいものしか愛せない我慢できない現代人

「最近の若者はキレやすい。」

 

みたいなことって以前からよく言われていますよね。

電車で方がぶつかったからキレて暴行を加える、みたいな事件が起きることも。

 

そういったオフラインでの話だけでなく、オンライン上でも多くの人がキレてます。

〇〇をしたらツイッターが炎上。

その行動の中には、たしかに憤りを感じるようなものもあります。(こういうやつとか。)

headlines.yahoo.co.jp

一方で、そんなに憤りを感じること?と思うようなことに対してもいちいち反応していることもあります。

「髪を切ろうかな~」とつぶやいた芸能人に対して「髪が生えない人の気持ちを考えろ!」みたいな。

 

なんで皆そんなに怒っているのかなー、とふと考えてみました。

 

 

1.昔からみんな怒っていた

 こういう議論をするとよくありがちなのが、

  昔は良かった ⇒ 今は悪い

みたいな、過去は良かったのだけど今に近づくにつれてどんどん悪くなった、という話。

でも実際には、人の性質が短期的にものすごく変わった、なんてことは無いと思っていて、昔だって同じように怒っている人は多くいたのではないかと思っています。

残念ながら私は1988年生まれなので「昔はよかった」という方々の年齢には及ばず、実態は分からないのですが、人間の本質を見ていけば「昔も怒っている人はいただろうなー」くらいのことは想像がつきます。

 

1.人間は年齢を重ねると理性的な判断ができなくなる。

キレる老人の“脳の仕組み”を医師が解説「理性と生命力が低下し…」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

こんなことが医学的にも証明されつつあり、これは今も昔も変わらない。

 

2.若者だってキレていた

医学的な証明は一つもないと思いますが、これまでに起きた各種運動は若者中心でした。

明治維新、2.26事件、学生運動・・・とか。これって世の中に対する憤りが原動力となって動いているんではないかと。

そんなに大きな話でなくとも、1980年代には学生の非行が問題になってますが、これも社会に対する憤りが表面化しているものだと考えてます。

 

つまり、昔もみーんなキレてたんです。

2.怒っていることが表面化して見えるようになった

メディアが新聞・ラジオ・テレビしかなかった昔。

今では、FacebookTwitter・ブログ・Yahooニュースコメント等、幅広く個人の意見を世の中に出すことができるようになったので、表面化して見えるようになった、という実態はあると考えます。

それまでは個人の感情を世の中の誰でも見れるところに表明する手段は、ラジオ投稿くらいのものでしたが、今では誰でも世の中に情報を発信が可能に。

なので、怒っている数が増えたのではなく、「怒っていることが分かるようになった」という可能性は大いにあるのではと考えます。

 

3.怒っている人の数が増えてきた

 怒っている人が増えてきた、という実態もあるのではないかと。

これは世の中の変化が大いに影響を与えていると考えています。

 

以前は、何をするにも時間がかかりました。

ご飯を炊く、ということだけ考えても、「精米する」「コメを研ぐ」「窯に火をつける」「窯を見守る」「蒸らす」という工程を経る必要がありました。

今では、「コメを研ぐ」「炊飯機のボタンを押す」という工程で終わります。(しかも成功率は高い。)

 

文明の進化によって、人は待つことができなくなった(=我慢できなくなった)、と思います。

 

また、簡単・分かりやすいものが好まれるようになっていった、という変化もあります。

新聞⇒ラジオ⇒テレビ、というメディアの進化を見ても、文字⇒音声⇒映像と人が理解をしやすい形にどんどん変化していっています。(フィルムカメラデジタルカメラでも同様)

角度を変えると、味覚も同様だと思います。

薄味でどんな味がするのかを楽しむという食事から、濃い味で分かりやすいものを食べるようになった食事も、わかりやすいものが好まれるようになった例かと。(私は濃い味好きです。)

 

文明の進化によって「分かりやすいものが簡単に手に入る」ようになりました。

 

 この2点で時代の変化を捉えるなら、

  • 昔:分かりにくいもの(しかなかった)を我慢しながら消費する
  • 今:分かりやすいものを我慢せずに消費する

という変化が起きたとも取れます。

これは世の中にとって「良い」と思われた各種活動結果がもたらした「結果」です。

 

分かりやすいものを我慢せずに消費できる世の中になった今、些細なことで怒ることは理解できます。

何らか自分にとって嫌なことが少しでもあった時に、

「相手がなぜそういうことをしたのか(=分かりにくいもの)」を想像することなく、

我慢せずに憤りを表明する。

こんな合理的な判断は無いと思います。

 

なので、怒っている人は増えてきた、という事実はあるのではないかと。(1で述べたように、昔もいたと思いますが、今に近づくにつれて増えていった、ということです。)

 

まとめ

まとめれば、

昔もキレる人は多くいたけど、現在に近づくにつれて分かりやすいものしか愛せない我慢できない人が増えてきたことに加え、それが見える化されるようになったから、「みんな怒っている」という風に見えるようになった。

のではないかと。

 

じゃあ、自分が怒りやすい?と問われれば、私も便利な世の中で成長してきた一人なので怒りやすい人だと思います。

ですが、上記の3点目に記載したことを反対の目線で捉えれば、

  • 相手の言動(=分かりにくいもの)を想像して、我慢しながら付き合う

という姿勢が持てるようになれば、自然と怒りにくくなるのではないかと思うので、

あえて使いにくいものを使う等で、自身の感情とうまく付き合っていこうかと思っています。

では!