でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

思考停止に陥っている諸先輩方(若者の言っていることが分からない)

こんなニュースがヤフーニュースに転がっていました。

私(昭和63年~平成元年生まれのいわゆるゆとり世代)が就職したころ(2011年頃)からよく見るような記事なので、またか、という感じではありますが。

headlines.yahoo.co.jp

職場でも「希少な若手」な存在ゆえ、辞めてもらっては困る。とはいえ「上の言うことは絶対」教育を受けた世代から見ると、厳しい上下関係やしっ責を嫌う20代の扱いは、時に悩みの種。

「理不尽な指示は従えない」という若手に対し、いくら若手不足とはいえ「20代の主張をいちいち聞いていてはまるで過保護な(中国の)一人っ子政策だ」という先輩世代の声も。現代の理想の若手育成とは。

全部引用していてはキリがないので、上述の内容でだいたい記事の内容は物語っています。

ただし、記事に出てくる先輩社員も33歳と私と変わらない世代なので、この記事内の”若者”の定義はあいまいです。29歳と30歳でいきなり変わるわけではないことは、先月30歳になった私が実感済み。なので、この記事でも”若者”・”先輩”というワードはあいまいにして話を続けます。(年齢というよりそれまでの成長過程が大切な気がしますが、それは割愛。)

1.「その仕事に何の意味があるのですか?」と聞く若者

私もそれに当てはまっていると思います。「とりあえず、やれ!」だと納得できない

なぜこのような質問がバンバン出てくるようになったのかは私が尊敬する内田樹さんが以下の著書内で言っています。良かったら読んでみてください。 10年以上も前から提唱している話です。 

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

 

  若者の主張は子どものころから変わっていないです。

「先生、この勉強に何の意味があるのですか?」という質問が出てくる背景と同じです。若者にとって、勉強も労働も何らかの対価を得るための手段という意味で一致しています。

そのため、こういった若者に対しては今の苦痛(勉強・労働)が何につながっているのかを適切に説明しないと動きを止めてしまいます。例えば、それがお客さんの〇〇業務の役に立つ、とか、自社内の〇〇が必要としている、とか、君にとって成長につながるとか。

なぜそういったことを若者が求めるのかは、上述の著書の神髄だと思っているので、興味のある方はそちらをぜひ読んでみてください。

 以下の記事も参考になると思います。 

dewahisashi.hatenablog.com

 2.思考停止に陥っている諸先輩方へ

こんなことを書いたら怒られる気しかしないですが、ヤフーニュースに出てくる先輩方は思考停止に陥り続けていると考えています。(多少デフォルメして記事が作られている可能性があるので、実際にはもう少し良い気がしますが。)

先輩方がどう育成されてきたのかを考えると、思考停止を是として育てられた、と言えるかと。

  1. 学生時代には成長モデルが確立されていた。
  2. 社会人に入ってからも、そのスタイルを是とするさらに先輩がいた。
1.学生時代には成長モデルが確立されていた。

学生時代には、成長モデルというか成功モデルが規定されていて、それに従って動いていけば一定の成功が約束されていたのではないかと考えます。(あるいはまだ神話が残っていた中で生活できた。)例えば、銀行に入ればOK!みたいな。

その時代にはそのレールに一度乗ってしまえば、それ以降も同じ流れで生きていくことができる。そんな時代だったと思います。

したがって、思考する必要などなく、誰かが描いた道を歩んでいくことが一番の正解だった時代なのだと思います。

2.社会人に入ってからも、そのスタイルを是とするさらに先輩がいた。

先輩方のさらに先輩方は、より思考停止していた時代だと思います。戦時中は、上からの命令に背くなんてもってのほか、だったでしょうし、当然そういった人たちが会社においても同じように接することは見えています。

そのため、上から言われることを愚直に実行することが求められることは会社において当たり前だったのだと思います。

当時本当に頭を使って考える必要があったのは、会社のかじ取りをする一部の人たちだけだったのだと思います。

それらの結果、先輩方は自分が仕事をする過程、仕事を部下に教える過程のいずれにおいても思考停止状態に陥っていると思います。また、部下が予期せぬ動きをした際にも思考停止に陥っているので、対処法も出てこない、と。

3.しかし、世の中は多様な生き方が求められるようになった。

ですが、上に挙げた私のブログに記載の通り、世の中は多様な生き方が求められ、成功モデルが一律に定義することが難しくなりました。

そんな多様な生き方が求められる中で幼少期から成長してきたのが”ゆとり世代”に象徴される世代だと思います。

先輩方の言っていることが必ずしも成功ではない、というのを目の当たりにしながら成長してきたので、先輩の言っていることを疑いながら生きていくのは、処世術として妥当です。もちろん参考情報として活用することはするけれど、鵜呑みにはできない。

そういった違いから、このようなコミュニケーションロスがあるのだと思います。

4.全員に当てはまるわけではない

ここまで先輩方のことをディスっているような感じに聞こえたら申し訳ないです。

が、私が言いたいのは”若者”と”先輩”には違いがあるということです。違いがあるから、お互いの背景を一人一人に合わせてコミュニケーションをとるしかないと考えます。

先輩方に思考力を持ち、人に合わせて柔軟なコミュニケーションを取れる人がいることを知っていますし、若者の中にも「いいからやれ!」としか言えない人がいることも知っています。

ただ、日本の世界的位置づけが30年前から変化しているのは事実なので、これからの世の中でどういったことが求められていて、それに合わせてどういったスキルを身に着けていかなければいけないかは、頭を使って考える必要があると思います。

では!