タイトルを見てギョッとされた方もいるかと思いますが、先に謝っておきます。
さすがに多分そんなことは起きません。(京都によほどひどいことが起きないかぎりは。)
先日総務省が日本人人口について発表したようでニュースになっていました。
2019年1月1日から2020年1月1日までの1年間で、日本人の人口が50万5046人も減ったと発表した。
ここで言っているのは「日本人人口」なので、外国人は含まれていません。
鎖国していたころの日本であればまだしも、さすがに外国人なしで考えるのはどうなの?と思ったので、少し統計局のHPをチェックしてみました。
上記リンクの下の方にはExcelがダウンロードできるようになっており、数字が取れたので、3年分ですが「総人口」の推移を調べてみました。
なお、総人口の定義ですが、統計局HPには以下のように記載されています。
A-5 人口推計の結果に外国人は含まれていますか?
総人口には,国内滞在期間が3か月を超える外国人を含みます。
A-6 外国人の人口は分かりますか?
総人口と日本人人口の差を「外国人人口」ととらえることにより算出可能です。
ということで結果を見てみましょう。単位は千人です。
表の貼り付け方が分からないので画像となってしまい申し訳ないのです。
かつ、表の上を新しい年にしてました。(ビジネスマナー的には微妙ですが、お許しください。)
あと、100歳以上の人は100歳に含んで計算されています。(元データの問題)
総人口で見ると、
- 2018年⇒2019年での減少は28.3万人です。
- 2017年⇒2018年での減少は25.9万人です。
日本人人口ほどではないですが、総人口でも年間25万人以上の減少です。
というか、こう見ると外国人にいかに支えられているのかを実感します。
見方を変えれば、日本人人口減少の半分の約25万人が新たに日本に住んでくれているわけですから。(3か月しかいない人もデータ上は含むわけですが。)
で、表題に戻るのですが、仮に10年このペースで総人口が減少すると、
約25万人/年の減少 × 10年 = 10年で250万人の減少
となるわけです。
で、京都府の2020年7月時点での推計人口は、257万人。
10年後には、京都府の人口が丸ごといなくなる計算となります。
さらに!ちなみに言えば、京都府の人口は日本で13番目です。
つまり京都ほどの人口集約都市であっても丸ごといなくなる、と捉えたほうが良いです。たった10年で。
(なお日本人人口であれば、10年で500万人なので福岡県の人口が丸ごといなくなります。)
また、そんな危機的な状況にも関わらず、政治家って本当に高齢者ばかり見ていてよいのか?とも疑問に思いました。
たしかに高齢者の割合が増えていているとは聞くけれど、実態どうなのだろう?と。
上記と同じく総人口で見ているため、政治家が意識している有権者とは異なる点はご注意ください。
まぁ予想通りではありました。
上記は20歳ごとに区切っていますが、60歳以上(黄色+水色)だけで34%ほどいます。
(18歳以上が有権者となりましたが簡略的に)20歳~59歳(オレンジ+グレー)で見てみると、49%ほどいます。
割合だけで見れば60歳以上よりも20歳~59歳までの方が多くいます。
※20~59歳には、高齢者が多くないだろう外国人を含んでいる点には注意です。
また、59歳は高齢者か?といった論点が入ってくるとは思いますが、20~59歳の投票率を考慮すると「確実に」票を入れてくれるだろう60歳以上の人を政治家が狙い撃ちするのは、ターゲティングとしては間違っていない、と再確認できました。
ところで私は、政府の打つ施策は、短期的な施策や介護・保険といった高齢者向けの施策が多い印象を持っています。
しかし、日本の人口が10年先には京都府の人がいなくなるレベルであることを考えると、目先だけOKであれば万事OK!という施策に同意するのは、高齢者の人たちも考えたほうが良いのでは、と思ってなりません。
(じゃないと、平均寿命が延びている中で、いつまでも働かされ、年金が大してもらえない生活が続くことになりますし。)
また、国の政治家たちもこういう事実から目を背けているようにも見えてなりません。
- お金が無くなったから国債発行!
- 人口が少なくなったからインバウンド!
- 労働者人口が少なくなったから女性活用&定年延長!
みたいな、表面的な政策が非常に多い「印象」があります。
ここで何度も「印象」という表現を用いているのは、自分自身が実行されて効果の出ている政策を知らないからです。
そして、知らないからこそ、頑張っている人たちの活躍した実績も見なければ!
という気持ちもわいてきました。
最近はコロナの影響もあって、政府に対する不信感が多いと思います。
自分も、つい政府に対しては「また意味ないこと・無駄なことやってるなぁ」と思ってしまいます。
政府のやっている施策で、マスコミには報道されていないけど良いものがあれば教えてください!
私たちはつい「足りない」と思うものに、目が行ってしまいますが日本は結構良い国だと思います。
先日、世界の教育事情を調べているなかで、日本よりも優れている国も見つけましたが、義務教育すらない国があることも知りました。
世界的にみると日本の政府ってこんなところが良いんだぞ!ってポイントも、少しくらいは触れておかないと、フラットに評価できないな、と思ったので、こんな記事を書いてみました。
そんなことを言っておきながら、かるーくこの調査をした段階で「これないわー」と思った事例を挙げておきます。(舌の根も乾かぬうちにコレ)
ここから先は「普通のビジネスマン」が見れば違和感だらけですが、役所のようなところに勤めている人には違和感が無いかもしれないです。
ということで、意識の高い役所の方に向けて書きます。
文字が小さくてすいません。
大きい版が見たい方は以下のURLの遷移先の下の方にある「第1表 年齢(各歳),男女別人口及び人口性比―総人口,日本人人口(平成30年10月1日現在)(エクセル:45KB)」というリンクを押してください。(Excelファイルがダウンロードされます。)
統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳),男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐
「統計局」の出しているデータとしては「あまりにも微妙」という感想です。
- 貼り付けた画像の左半分が0歳~49歳、右半分が50歳~100歳のデータがずらっと並んでます。
- また、ところどころに行間の広い箇所が見えると思います。これは5歳間隔で行間を広げています。
この2つのポイントが「そんなもんじゃない?」という感覚を持っている方は、(ビジネスに携わっている場合)かなり微妙な人材だと思われている可能性大です。(もしくは、今後の若い人たちから「ないわー」と思われる。)
例えば、私が出したような20歳ごとの人口を算出したい場合、Excelのピボットテーブルを駆使するのが楽なのですが、そのためには左半分と右半分を合体させて年齢と人口を1列に並べる必要があります。
また、5歳間隔で見せる工夫が行間を広くするって、あまりにも「人手」に頼りすぎです。(行間を33ピクセルに合わせる作業を手でやってるんですよね?それ以外の方法って思いつかないの?)
じゃあ、なんでこんな「使いにくい」形になってしまっているのか?
これは全て「紙で印刷する」前提で作られているからです。
紙で1枚に収めたい!という意図が、ありありと見えていて、利用者のことが全く見えていません。
これは予想ですが、統計局内では紙で用いられることが多いため、この形式に違和感が無いのだと思います。
しかし、公開しているデータである以上、今回の私のようなの再利用の可能性は十分に考えられます。というか、Excelデータまで参照しに行く人はデータの再利用者だと思います。(そうじゃない人は、その前の文章等で十分なわけで。。。)
おそらく統計局の作業者自身は、集計しやすい形式でデータを利活用していると思われますが、アウトプットするとかなり微妙になってしまう、という典型でしょう。
誤解の無いように記載しますが、紙前提で作られた資料自体を否定しているわけではありません。
このHPに掲載されたExcelがどんな人に使われるのか、というイメージを持っていないことに対してコメントをしているだけです。
紙前提で作られた資料の方が便利だと感じる方がいることは理解しています。
ちなみに、これは統計局だけの傾向ではありませんでした。
この調査に当たって、いくつかの地方自治体の人口データも調査しましたが、すべてが「紙で印刷する前提」でしか公開されていませんでした。
「あー、役所の人ってこういう感覚なんだな」とつくづく感じました。
もし「いやいや、データはちゃんと掲載されているけど、お前が探しきれていないんじゃないか!」という人がいたら、私からの回答は以下の通りです。
「『日本 人口構成 年齢別』でトップに出てくるページに載せるのが筋。
そうなっていない時点で終わってる。」
では。