でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

学歴で評価する時代から脱却する方法(1:学歴について考える)

仕事が始まるとやはりブログを書くタイミングを失いがちです。そんな中、定期的な訪問者がいることに率直に驚いています。

今回は、「学歴」について考えてみたいと思います。

1.新卒就活における学歴の重要性

現在の新卒の就職活動において企業が重視するポイントは何でしょうか?

面接での受け答え、エントリーシート、グループディスカッション等の能力。

当然そういった要素も大切ではありますが、どの企業も用いるのは「学歴」です。

面接やエントリーシートは、採用候補となる学生(母集団)ができた後の学生を見極める際に用います。一方、母集団形成をする際には学歴を用いて対象者を形成していきます。

では、なぜ学歴を初期段階で使って企業は学生の見極めを行うのでしょうか。

当然、みなさんが考えられていることと同じだと思いますが、学生の能力(=将来の活躍の可能性)を見極めるのに有効な指標だと考えられているからです。

まずはその論理性を解き明かしたいと思います。

2.なぜ学歴が使われがちなのか。

言わずもがなではありますが、学歴(中卒、高卒、大卒、さらにはどこの学校を卒業したのか)は、その人が学校に入学した・卒業することができたことを証明しています。つまり、その学校が課した条件をクリアすることができた、ということを指します。

そして、その難易度は”偏差値”で表現されることが多いです。そのため、偏差値の高い学校を出た=高難易度の学校に入学・卒業できることができる人材である、ということを学校が証明してくれています。

また、学校入学で求められる能力とは、「記憶する能力」「問題内容を理解する能力」「答えを導く能力」「それを紙面に落とす能力」です。

広い意味では、インプット・プロセス(思考能力)・アウトプットの3つの能力を包含的に求めらるのが入学試験であり、それをクリアすることができた人物であることを(偏差値を裏付けとして)学歴は表現してくれています。

まとめると、インプット・プロセス(思考能力)・アウトプット能力の3つを高難易度に保持すると思われる人間が高い学歴を持っている、ということです。そのため、企業側も学歴を指標として母集団形成を行います。

3.学歴を使った母集団形成のリスクとは

学歴は上記のようなことを証明してくれているのですが、一方で経験則の中でも「学歴の高い人が必ずしも仕事ができるわけではない」また、その逆もよくあることだと思います。

つまり、学歴は仕事の能力を評価するには不十分な指標です。

それはなぜか。

  1. 学歴はワンチャン。
  2. 学歴は答えのある世界。
  3. 学歴は一部の能力。
1.学歴はワンチャン

学歴というより入試制度の問題にはなるのですが、入試制度は基本的に1回きりのチャンスなので、失敗した・病気になった等の理由でうまくいかなかったときに自身の能力が正しく反映された学歴とはならないです。(もちろん土壇場で力が発揮できるか、という意味もありますが、果たしてそれを学歴で評価する必要があるか、とも思います。)

また、1年浪人をすれば入試を再度受けなおすことは可能ですが、1年に1度しかチャンスが無い、というのも果たしてどうなのか、と。

2.学歴は答えのある世界

入試制度で見極められるのは、答えのある問題に答えられるか、という能力です。

社会に出れば、答えのない問題が多くあり、それに答えるのがその人の付加価値となります。そのため学歴が高ければ答えのある問題に答える能力は高いと考えられますが、答えのない問題に答えられるか否かは評価ができません

興味深いなと思ったのは、ZOZOTOWNの前澤さんが100万円お年玉企画をやった際に、当選者に100万円の使い方を記載した人が選ばれた、という事実に対して、「最初から夢を書いてと言ってくれれば書いたのに」とか、「当選の条件に記載がなかった」とか反論をしている人が多くいることです。こういった人たちは社会の構造が理解できていないのだと思います。(きっと学歴が高い人もいると思います。)

入学試験を受けている間は、どのような基準で選考されるのかが明示されますが、社会に出て以降は選考基準が明示されることなんてほぼないです。

そんな社会で戦える人は、学歴で必ずしも評価されるものではありません。

3.学歴は一部の能力

学歴では、インプット⇒プロセス⇒アウトプットが評価されると上で述べましたが、必ずしもこの3つが網羅的に評価されるものではありません。

例えば、面接等形式的に行われているものの、入試制度では対人コミュニケーションは排除された形で合否が決められます。特に高学歴の学校になればその傾向は強まります。

そのため、仕事で求められるコミュニケーション能力(特にオーラル)は学歴を見ただけでは評価ができません。それ以外にも、ファジー(曖昧)な能力ではありますが、「気遣い」「律義さ」といった能力も学歴の評価からは外れます。

4.まとめ

以上より、仕事能力を見極めるうえで、学歴は評価できる部分・評価できない部分があります。そして、評価できない部分でも仕事能力に大きく関わるところがあります。

しかし現在の世の中では、学歴を上回る学生の評価方法がないため、企業側は上記のような評価ができないことをリスクとして受け入れながら学歴を用いています

そのため、そのリスクを排除するために、ES・グループディスカッション・面接等で学歴では測れない能力を評価している、と考えています。

そのようなことを考えていると、学歴以外の仕事能力を測る方法があれば、学生・企業の双方にとって有益ではないかと考えるようになりました。

ということで、次回はこの内容について考えてみたいと思います。

では!