昔からテレビショッピングが好きでよく見ているのですが、東京に来てからはジャパネットたかたを見る機会が非常に多くなっています。
ジャパネットたかたは社長が有名ですし、CM等でも流れているテレビショッピングなので一度は見たことのある人も多いのではないでしょうか。
今は新年初売りセールで普段見ない商品も売っています。
小さなころからテレビショッピングはなぜかずーっと見ていられて、今でも深夜になるとジャパネットが放映されているので、つい見てしまいます。(一度も商品自体を購入したことはないのですが。)
ジャパネットたかたについてググってみると、いろいろと意見は書かれています。年配者を食い物にするな、とか、新商品と銘打ちながら旧製品の型番を変えただけだ、とか。
今日はそんな話をしたいのではなく、ジャパネットたかたを見ていて、仕事、特に営業の仕方につながる要素もあるようなー、と思っていたことを書いていきたいと思います。
1.商品紹介には一定の規則性がある。
長い期間、いろいろな商品を見ていて気づいたのですが、ジャパネットたかたでは以下のような商品紹介ステップとなっています。
- こんなお困りごとがないですか?と問いかける。
- そんなお困りごとには、こんな商品をいかがでしょう?と問いかける。
- この商品には、こんな特徴があります!と訴求。
- 普段ならこの価格なのですが、今回は特別価格でこのお値段!と訴求。
- 買う際に不安な点もありますよね、しっかりサポートします!と訴求。
1~4のステップをAIDMAに当てはめようと思えばできなくもない構成です。あと、プレゼンとかで聴衆を引き付けるために使う手法によく似ています。
もう少し各ステップを分解していきます。
1.こんなお困りごとがないですか?と問いかける。
まさに、注意喚起、です。
ストーブの紹介なら「最近冷えてきましたよね?エアコンだと温かくなるのに時間がかかりませんか?」とか。掃除機だと単純に「お使いの掃除機は古くなってきてないですか?」とか。
お客さんのニーズを掘り起こして、次の商品紹介につなげています。
2.そんなお困りごとには、こんな商品をいかがでしょう?と問いかける。
ここはシンプルに、デデーン!と商品を見せます。
言いがちなのは「どうです?高級感がすごいでしょう!」とか「見てください、こんなに小さなサイズに仕上がっているんです!」とか。
このパートでは、見た目について言及するので、腕時計とかだと結構な時間を使って説明していきます。
3.この商品には、こんな特徴があります!と訴求。
商品の機能面について触れていきます。
掃除機なら吸引力(ボウリングの球を吸って持ち上げたり)、炊飯器なら釜と加熱方法(こんな機能があるからおいしさが際立つんです的な)。
大切なのは、購入時の理由付けをジャパネットがしてくれる点です。
高額の買い物をしたときに、何か理由をつけて買うことってないですか?(誕生日だから、頑張った祝いだから、みたいな。)これが結構大切で、衝動的に欲しくなったものを購入する際には、誰に説明するわけでもないのに理由付けをします。(もちろん人に対して説明することもあります。)
それをジャパネットが全部引き受けてくれて、なぜこの商品を自分が買わなければいけないのかを説明してくれることで、購入の合理性を得られます。
4.普段ならこの価格なのですが、今回は特別価格でこのお値段!と訴求。
なぜ今買わなければいけないのか。これにダイレクトに答えてくれます。それが今だけの特別価格!
特にジャパネットたかたでは、分割支払い時の分割手数料を負担してくれます。そして、分割時の金額はよほど高価な品でない限り、月額3000円程度に抑える値段設定です。
これも考えられていて3000円/月=100円/日なので、1日1本缶コーヒーを我慢していたら家に届くんですよ?と。なんかそのくらいなら我慢できそうな気がしてきますよね。
5.買う際に不安な点もありますよね、しっかりサポートします!と訴求。
最後に、この点で買わない理由をつぶしに来ます。特に、スマホ・PC等の年配の方が苦手そうな商品には必ずセットで訴求します。例えば、スマホのセットアップって難しいですよね?通常有料なのですが、今だけ無料でご自宅まで伺ってセットアップをいたします!みたいな。
買う理由を明確にしてあげて、買わない理由をつぶしに来るので、年配の方は注意喚起がドンピシャではまっていれば購入まで流れるのは想像がつきます。
2.まとめ
こうやって数十分の商品紹介を分解してみると、割とオーソドックスなことを愚直にやっているのがジャパネットなのだなと。(もちろん商品が売れることで、買い付けの力が増し商品自体を安く仕入れられる、といった魅力もあるのでしょうが。)
コンサルティングビジネスの営業時には、モノがないためここまでキレイな説明はできないですが、参考になるところもあるのかな、と思いました。(モノ売りの営業さんはすでに意識されているところも多い気がします。)
ネットで比較検討ができる若者向けに商品を売れるか否かが、今後のジャパネットの存続に関わってくる気がしますが、少子高齢化が進むしばらくは心配なさそうなのかな。
では!