でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

「なぜ」を使い分けることで思考の深堀を助ける。

以前に「なぜなぜ分析で陥りやすい誤った問いの立て方」というエントリを書きましたが、もう少しこれらについて考えてみたので、今日はそのお話です。 

dewahisashi.hatenablog.com

 このエントリ内では、いわゆるトヨタ生産方式で問いかけられる「なぜ」にフォーカスしていたので、以下のような形で結論付けています。

〇:なぜ起きるのか?は課題の原因を深掘る。
×:なぜ問題なのか?は課題の重要度を測る。
×:なぜそう言えるのか?は問題の裏付けをする。

 しかし、後半二つの「なぜ」も適切な使いどころがあり、目的に応じて使い分けると非常に効果的なものとなります。

というか、これらの使い分けができない限り生産性の高い仕事はできない!といえると思います。

では、早速後半二つの使い方を考えてみたいと思います。

 

なぜ問題なのか?

この問いを以前のエントリでは以下のように説明しています。

この問いは「課題がなぜ課題として認識されるのか」という課題設定そのものに対する疑問をつぶすための問いです。

これをもう少し深堀していきたいと思います。

そもそも仕事で発生する課題・問題が発生すると、それを解消しながらビジネスを回していきます。

その際の前提として、課題(=イシュー)が適切に設定されている必要があります

誤った課題(イシュー)を設定してしまうと、どんなに素晴らしい解決策を作り出し、実行したとしても本当に解決したい問題は解消されません。

つまり、最初に設定するイシューの質が非常に重要ということです。 

例えば、「友人に彼女が半年間いない」という事実を課題だと感じた人が、「友人に彼女を作るためにはどうしたらよいか。」というイシューを設定したとします。

このイシューから導き出される解決策は、「身だしなみを整える」「会話が続くようなコミュニケーション力をつける」といったものとなります。

しかし、「彼女がいない」という事実に対して、当人が課題だと思っていない場合(=彼女が必要じゃない等)、どんなに良い解決策を出したとしても意味がありません。 

上記のようなケースはビジネスにおいても頻繁にあります。

ある事象を課題だと思っている人もいれば、そうじゃない人もいるような場合、慎重にイシューを設定する必要があります。

このような時には「なぜ問題なのか?」という問いは有効になります。

設定しているイシューを疑う目を持つために、その事象ががなぜ問題であり、なぜ解決しなければいけないのかを深堀して考える問いが、「なぜ問題なのか?」です。

イシュー設定を誤るとその後の解決策を検討・実行する時間が無駄になり、生産性は非常に落ちます。それを防ぐために有効な質問がこの質問です。

なお、イシューの大切さや設定する方法について詳しく書いている名著に「イシューから始めよ」という本があるので、全ビジネスパーソンが読むことをお勧めします。 

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

 

 

なぜそう言えるのか?

これは以前のエントリでは以下のように説明しています。

これは問題がなぜ問題だと言い切ることができるのか、を裏付けするときには有効 

部下がいるとイメージしやすいのですが、部下が何らかの課題を感じて自分のところに持ってきたとします。その時に使うのがこの問いです。

あるいは、なんらか結論らしいものを部下が持ってきたときに、何を以てそう言っているのかを確認するときに有効です。

例えば、子どもから、みんなが持っているからおもちゃを買ってほしい!と訴えてきたときに、「みんなって誰?」と聞かれた・聞き返された経験を持つ人は多いでしょう。

「みんなって誰?」を言い換えると「なぜ”みんな”が持っている、と言えるのか?」となります。

ここで使っている思考が、「なぜそう言えるのか」と合致します。

小難しい表現を使えば、演繹法帰納法・ピラミッドストラクチャーを使う際に必要となる「なぜ」は、この「なぜ」です。

カエルの子どもはおたまじゃくしである。

「なぜそう言えるのか」

⇒1.〇〇カエルの子どもはおたまじゃくしだから。 

 2.××カエルの子どもはオタマジャクシだから。

 3.△△カエルの子どもはオタマジャクシだから。

このようにある結論にたどり着いた思考過程を遡って確認する・根拠を確認する際に使うのが「なぜそう言えるのか」という問いです。

ITリテラシーの必要性を訴えられてから久しく、世の中が伝えていることを鵜呑みにする人は多くないと思いますが、その際に「本当?」と疑った先にある問いがこの問いです。

 

このように様々な用途に合わせた「なぜ」があり、世の中一般では「なぜ」としか表現されないので使い方を間違えると誤った結論にたどり着くので、前回+今回のエントリが皆さんの参考になればと思います。

 

dewahisashi.hatenablog.com

では。