新入社員の皆様、入社おめでとうございます。
東京では桜が満開で、新元号:令和が発表され、まさに新生活を始めるという変化のタイミングとしては、これ以上ないの時期に入社ができたことを羨ましく思います。
私が入社したのは震災直後の2011年4月だったため、東京は全体的に薄暗く、日本全体としても意気消沈した雰囲気に包まれていたことを考えると、今年は良い時期だと思います。
そんな皆さんに向けて、少し先を生きている人としてメッセージを送ります。
もう安定なんてない。
すでに痛感している人も多いと思いますが、国や企業にすがって生きていく時代はすでに終わっています。公務員であっても、大企業の社員であっても、組織にすがって生きていくことはできません。
大企業であれば、平成時代にいくつも大企業と呼ばれる会社が倒産していることを見れば安泰なんてあるはずないことはわかると思います。(倒産まで至らなくとも、企業は残るけどヒトが切られるって可能性もありますし。)
公務員なら国が守ってくれるから大丈夫!と思っている人がいるかもしれないですが、そんな考え方は今すぐに捨ててください。
日本の人口が全体的に縮小傾向にある中で、もはや地方自治体を現在の数のまま維持するのは難しいでしょう。そうなると、国としては民営化させるか、地方自治体を統廃合するかの2択になります。また、人の数を減らしていく可能性も大いにあります。
それ以外の会社に勤める人は、「会社に頼ったりするわけないじゃん」って感じかと。
なぜこんなことを言っているか、というと、就活市場が強い売り手市場だったからです。
売り手市場では、就活生(今年の新卒入社者含む)の力を錯覚させます。
本来の自分の力と関係のない力学が働いてしまい、自分の能力とマッチしていないまま就職できてしまう人も多く生まれるのが売り手市場です。
そのため、自身の力を過信してしまうことを懸念しています。
じゃあ何を意識していくべきか。
「市場(マーケット)で求められる人材になること」
これに尽きます。
属している組織の先行きが見えない中で、唯一リスクヘッジになるのは、いつでも他の場所で生きていける状態を作ることです。
厳密には、「ほかの場所で生きていければよい」ので、同じような市場で働き続けられる状態を作るという選択肢以外にも、
- 積極的な投資を行い、労働しなくても生活できる状態を作る
- 自給自足をできるようにして、周りの環境に依存しない状態を作る
といった手法をとることもできます。自分に合っているのであれば、どの手法を使ってもよいと思います。
現時点で就職を選んでいるということは、一旦は労働市場で働く意思決定をしている(そんな意識が無い人もいると思いますが)ので、自身の能力を向上させることを勧めます。
ここで注意してほしいのは、評価軸は「市場(マーケット)」という点です。
先輩から気に入ってもらえることでも、会社の評価基準で好成績を残すことでもありません。
世の中で求められていることを実現できる能力を身に着けることです。
属している業界によって求められる能力は異なるため、それぞれによって必要なものは異なります。
でも、ここは学校ではないので、何で評価されるのかを教えてはくれません。
自分で考えるしかないのです。
この点が、新卒社員のなかでできる人・できない人が分かれます。
そしてこれができる人は、おそらく会社の中でも成果を積み上げられます。
そっちの社員になるために、こんなことを実行してみてください。
会社の評価項目のウラ側を考える。
どの会社にも評価項目があります。
その評価項目がなぜ設定されているのかを真剣に考えてみてください。
例えば営業職で、「売上をXXX万円獲得すること」みたいな項目がある場合、
- なぜ売上なのか?利益額ではなく、売上としている理由は?
- 売上を獲得することが、市場においてどんな能力として評価されるのか。
- なぜXXX万円なのか。
こんな風に頭を振り絞って考えてみてください。
こうすることで、会社の裏側、つまり会社がその業界において生き残る方法が見えてくるのです。
評価項目には会社の人材に対する想いが現れます。会社を成長させる(もしくは生き残らせる)ためには、それを実行する人の成長がとても大切です。そのため、人の成長のベクトルを示す評価項目について、よく考えればその業界(市場)で評価されるポイントが見えてきます。
あとは、それに向かって全力投球でがむしゃらに実行してみてください。
どんなに頭を使って考えたとしても、実行が伴わなければ得るものはないですし、実行すれば見えてくることもあるので、失敗を恐れずにどんどん実行してみてください。新入社員が起こす程度の失敗は、だいたい取り返しがつきます。
ということで、結論。
市場で求められる人材になることを意識し、どんどん実行!
学生のころの誰かに依存した状態から脱却し、自立した社会人になるために、世の中を意識しながら成長を続けてください。
では。