でわひさしの日記

世の中、教育、仕事、趣味などに関して、日々感じたこと・考えたことをつらつらと。

グローバル化は進歩なのか後退なのか。

昨今のグローバル化はすごいと思います。

地元が田舎だったこともありますが、子どものころに外国人を見かけることなんて全く無かったのに、最近では(都会に引っ越した影響もあるかも)外国人がコンビニや牛丼チェーンで働いていることも多く、見かけない日が無い、というレベルで、ヒトの交流が進んでいます。

もちろんヒトだけでなく、輸入品も街中ではすぐに見つけられるし、情報だって海外で起きた出来事を現地と同じタイミングで仕入れることだってできる。

これって本当にすごいことだと思います。

 

大航海時代前では、ヒト・モノ・カネ・情報の交換は基本陸路でしか行われないので、大陸をまたいだ交換はできない。

大航海時代を経ることで、ヒト・モノ・カネ・情報の交換はそれまでと比べれば容易になりましたが、船を使っての交換なので、交換に要する時間は長く、運送時のリスク(欠損・破損)は高いものでした。

20世紀に入ると、飛行機が登場しインターネットが登場し、ヒト・モノ・カネ・情報の交換が、それまでと比較にならないほどのスピードと質で実現できるようになりました。

 

こういった時系列で追ってみると、人類はなんとかして他の地域の人々との交換を、より広範囲に、より早く、より安全に実現できるようにしてきた、ことが伺えます。

 

そのことによる影響は実感しづらいかもしれないですが、非常に大きかったです。

 

大航海時代では、食品保存用の香辛料の獲得を目指して、ヨーロッパ⇒インドに航海して、獲得できたことで食品の保存ができるようになった。つまり、生存の可能性が上がった。

他にも、国ごとの役割分担を形作っていったという見方もできます。ヨーロッパは消費・生産管理を中心とした国として発展し、アフリカ大陸は生産を中心とした国として発展、のようなものです。

 

そのころは国ごとの差別化が強すぎたため、結果として搾取する側・される側といった構図に行きついてしまいましたが、最近では徐々にそれもなだらかになりつつあります。(現実として解消には程遠い状態ですが、「それって良くないよね?」という風潮が出てきただけでも、歴史的には大進歩。)

 

同じように現代のグローバル化においては、特に情報交換が早く・正確になったことで、物理的には離れているにも関わらず話をすることが容易になることで、世界が一つのものかのような状態を作り上げられています。

もちろん、それはヒト・モノ・カネにおいても同時的に発生しており、「世界は1つ」の世界が実現しつつあると思います。

これに加えて「どこでもドア」ができれば、もはや完全なる「世界は1つ」状態になるのでは、と思えるほどの状態です。

 

前述の内容と重複しますが、これらの内容は、ヒト・モノ・カネ・情報の他地域との交換を、より広範囲に、より早く、より安全に実現できるようにしてきた進歩、と考えるのが一般的でしょう。

 

では、ここで逆の視点から見てみます。

 人類の進化の歴史をさらに昔にさかのぼって見てみると、「分化」の歴史だったと見ることができます。

元々人類はアフリカに起源があるといわれていますが、そこからの進化の過程でヨーロッパ・アジア・アメリカ・オセアニアといろんな地域に分かれていく中で、それぞれの地域に合わせた進化をしてきました。

そして、その地域ごとに地域に合わせた衣食住を整えて、(この歴史的スパンで言えば)つい最近まで生活をしてきました。

いわば、それぞれの地域に合わせて生活できるように「分化」し、その地域に適応する形で「進化」を遂げてきました。

 

大切なのは、人類の歴史で言えば”ほとんど”が「分化」の歴史だった、ということです。

最初の人類が誕生したと言われているのが400万年~300万年前なので、大航海時代が始まった約500年前~現在は、その中のわずか0.02%しか該当していないです。(有史の4000年で考えてもわずか0.13%)

それだけ長い期間をかけて分化をして、各地域に適合していった進化を、わずか数百年で統一していこうとしている動き=グローバル化、と見ることもできます。

 

グローバル化を推し進めることにより、各地域の差が無くなってしまい、有事の際に対応できなくなってしまう可能性もあります。(例えば、災害によって現代的な生活が送れなくなり、原始的な生活しか送れない状態になった際に、果たしてグローバル化した状態で人類は生き残っていけるのか?等)

 

 

生存戦略として人類は分化することを選択していったにもかかわらず、次の人類の進化の一手がグローバル化(=全世界の均一化)というのは、果たして「進歩」と言えるのでしょうか。

 

「進歩」と捉えることもできるだろうし、「後退」と捉えることも可能でしょう。

もう数百年くらい経てばきっと答えは出ているのでしょうが、今時点でそれを全て予測しきるのは無理ですし、グローバル化の流れをこのタイミングでゆっくりにさせることは困難でしょう。

とはいえ、ちょっと極端な話かもしれないですが、こういったことに対して自分なりの意見を持つことは必要だと思います。

 

私は、グローバル化=進歩、だと思っています。

 

では!