先日新卒採用支援をしているベンチャー企業へ訪問する機会がありました。
そこで、ベンチャー企業に就職した学生が早期に離職してしまう理由が、私にとっては意外だったので、それ以外の会社を辞める理由を想像してみました。
1.早期(3年以内)に会社を辞める理由を想像してみる。
私が驚いたのは、「スキルが足りずに会社を辞める人がいる。」ということでした。(世間知らずで申し訳ないです。)
会社を辞める理由を想像してみます。
※ここでは、新卒入社の人が早期(3年程度)で会社を辞めてしまう理由に絞って考えてみます。(それ以上になると、キャリア形成等、個人に依存する理由も増えてくるので。)
- マインド/志向性が会社と合わないことに気づいた。
- スキルセットが会社に合わないことに気づいた。
- 病気や実家に帰る等、個人に属する理由。
こうやって書いてみると、なんで今まで理由2について想像してなかったのか、自分でも意外な感じです。(普通に考えれば出てきそうなのに。)
おそらくその背景にあるのは、新入社員を受け入れる会社側の理屈を想定しきれていなかったことが原因だと思います。
2.大企業は「マインド/志向性」の違いで会社を辞める。
もちろん大企業を早期にやめる人の全てがこれを理由としていると思っていないですが、大部分はここでないかと。
大企業(とはいっても数百人以上くらいの規模感)になると、組織構造もしっかりとしたものとなってきており、教育システムもしっかりと整っていることが多いです。
例えば、入社後研修やOJT・ジョブローテーションといった入社後の道筋がはっきりしており、(成長スピードはともかく)新人はすくすくと育っていきます。
一方で、組織構造が大きく、入社前に思い描いていた業務に就けなかったり、組織の1部品感が強く感じられたりすることがあります。
ここは大きな企業なので仕方ないところはありますが、簡単に言えば「つまらない」と感じる単純労働も増えてきます。
会社の求めている成長スピードが個人の求める成長スピードと齟齬を起こしたり、与えられる業務と個人の志向する業務が合わなかったりします。(営業希望だったのに、管理部門に配属された、とかです。)
そんな大企業が新卒学生向けに出しがちなメッセージは以下のようなもの。
「研修・OJTを整備し、教育環境が充実!」
まとめると大きな企業の傾向は以下。
- メリット:着実な成長が見込める
- デメリット:会社と個人の志向性が合わない
3.ベンチャー希望は「スキルセット」の違いで辞める
大企業の逆が理由となりますが、ベンチャー企業ではスキルアンマッチによって離職するケースが増えます。
まずベンチャー企業(特に初期)には、成長させる環境が整っていないことが多々あります。入社した人は現場でいきなり(実力に見合わない)権限が与えられ、そこで成果を求められるのですが、どうやったら成果に結びつくのかが分からないまま仕事に取り組むこととなります。
聞いた話にはなりますが、入社後ろくに説明もないままいきなり営業に行くといったことも起きます。
そのため、スキルが無いもしくは入社後に上がっていかない人は成果が出ず、非常に居づらい環境になっていき、退職に至るといったパターンです。
一方で、ベンチャー企業が新卒学生に対して与えるメッセージは以下のようなものが多いです。
「若いうちから権限移譲し、成長が可能なプラットフォーム!」
学生側は企業側のメッセージを素直に受け取ってしまう傾向があるため、適切な意思決定ができていないケースが多々あります。(素直すぎる学生にも問題はあります。)
まとめるとベンチャー企業の傾向は以下。
- メリット:大企業よりも幅広い業務で成長できる。(ただし、全ての人が成長できるわけではない。
- デメリット:成長させる環境が整っていない。
4.まとめ
結局会社を辞めるのは、入社を決める時点に原因があります。
入社を決める時点には、企業から提供される情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考えて入社後のイメージをしっかりと持ちながら、就職活動を行う必要があります。
そこである程度イメージができていれば、決めた後のアンマッチは減ると考えています。(結果として、スキルが合わないというケースはあると思いますが。)
ということで、短絡的にならず、情報に対して疑いながら就職活動に臨んでもらえればと思います。
では!